内服薬によるAGA治療は、比較的手軽に、安価に始められるため人気を集めています。
しかし、AGA治療薬はあまり身近でないため、副作用のリスクが心配な方もいるのではないでしょうか。
そこで今回は、AGA治療薬の副作用について解説します。主な副作用や注意が必要な方、個人輸入のリスクなどを理解し、適切にAGA治療薬を使用しましょう。
AGA治療薬に見られる副作用の種類
AGA治療薬では、初期脱毛や性欲減退、勃起機能障害(ED)、肝機能障害、うつ、精液減少、頭皮のかぶれやかゆみ、動悸や息切れといった副作用が現れる可能性があります。
また、AGA治療薬により副作用は異なるため、クリニックで適切な処方を受けて服用することが大切です。
初期脱毛
AGA治療薬の服用開始後、一時的に抜け毛が起こることがあります。
これはヘアサイクルが正常化し、休止期の毛が抜けるために起こる副作用で、治療薬が効いている証拠です。初期脱毛が起こらない方もいますが、治療薬の効果がないわけではありませんのでご安心ください。
なお、初期脱毛は1ヵ月半〜3ヵ月ほどでおさまるため、自己判断で服用を中断しないでください。
初期脱毛の詳細は以下記事で詳しくご紹介しています。
AGA治療薬フィナステリドの副作用である初期脱毛とは?原因や服用時の注意点について
性欲減退
AGA治療薬のなかには、AGAの原因とされる男性ホルモン「DHT(ジヒドロテストステロン)」を抑制するものがあります。
DHTは性欲と関係するホルモンのため、AGA治療薬によっては性欲の減退が見られることがあります。
勃起機能障害(ED)
AGA治療薬の服用後、勃起機能障害(ED)を引き起こす場合があります。妊活中の男性の場合、AGA治療薬を服用しても胎児異常や妊娠確立の低下を引き起こす根拠はありません。
しかし、勃起機能障害により性行為が難しくなる可能性があるため、服薬の継続にはパートナーの理解をえる必要があります。
肝機能障害
AGA治療薬の副作用のなかでも、肝機能障害の発現頻度は非常に低いとされていますが、重大な副作用のため注意が必要です。
薬の服用中は、定期的に肝機能の検査をおこなうことをおすすめします。また、肝炎や肝硬変など肝臓の病気を持つ方は、副作用が強く出やすい傾向にあるため、服用の際は医師へご相談ください。
うつ
男性ホルモンの分泌を抑えるAGA治療薬では、ホルモンバランスの乱れにより抑うつ症状が見られることがあります。
代表的な症状として、気分の落ち込みやイライラ、やる気の低下などが挙げられます。
精液減少
DHTの生成が抑制されることで、精液量が減少する場合があります。
なお、若年の健康な男性であれば、精子数や精子運動率などの精液所見に悪影響を及ぼすことはありませんが、男性不妊症の場合は休薬することで精子数が回復するという論文も発表されています。
頭皮のかぶれやかゆみ
頭皮に塗るタイプのAGA治療薬では、塗布した部分にかぶれやかゆみが出る可能性があります。これは、AGA治療薬に含まれる有効成分やアルコールに対してアレルギー反応が出ていると考えられます。
放置すると頭皮環境の悪化につながり、かえって脱毛が増えるおそれがあるため、医師に相談することをおすすめします。
動悸や息切れ
まれではありますが、心疾患の既往歴や体質、併用する薬によって動悸や息切れを感じるというケースもあります。
臨床データ上に動悸や息切れが挙げられているわけではなく、多く見られる副作用ではありませんが、このような症状を感じた場合には、病院に相談しましょう。
AGA治療薬別の副作用について

AGA治療薬には、いくつか種類があります。
ここでは、代表的なAGA治療薬を挙げ、それぞれの副作用をご紹介します。
AGA治療薬 | 効果 | 副作用 |
---|---|---|
ミノキシジル | ・血行促進 ・毛母細胞の活性化 |
・初期脱毛 ・息切れ ・頭痛 ・立ちくらみ ・顔や足のむくみ ・体毛の増加 ・肝機能障害 ・頭皮の炎症(外用薬) |
プロペシア(フィナステリド) | ・DHTを抑制し、薄毛の進行を防ぐ ・ヘアサイクルを正常に戻す |
・初期脱毛 ・性機能障害 ・肝機能障害 ・うつ |
ザガーロ(デュタステリド) | ・DHTを抑制し、薄毛の進行を防ぐ ・発毛効果 |
・消化器症状(腹痛や下痢など) ・肝機能障害 ・性機能障害 ・うつ |
ミノキシジル
ミノキシジルは、血管を拡張して血行を促進する作用と、毛母細胞にはたらきかけ活性化させる作用で、髪の毛の成長を促すAGA治療薬です。
内服薬と外用薬があります。
内服する場合、もともと血圧を下げる薬として開発された薬のため、高血圧または低血圧の方、狭心症の方などは必ず医師とよくご相談のうえ服用してください。
外用薬の場合は、炎症や赤み、かゆみといった皮膚トラブルが見られることがあります。
AGA治療に必要なミノキシジルとは?プロペシアとの併用や副作用について
プロペシア(フィナステリド)
フィナステリドは、AGA治療薬「プロペシア」の有効成分です。
DHTの発生を抑制することで、薄毛の進行を遅延させ、ヘアサイクルを正常に戻す効果があります。
データ上では副作用の危険性は極めて低いとされているものの、必ず医師の診断のもと服用してください。特に、肝機能の持病がある方は注意が必要です。
ザガーロ(デュタステリド)
デュタステリドは、AGA治療薬「ザガーロ」の有効成分です。
フィナステリドと同じくDHTを抑制する作用があり、その効果はフィナステリドの1.6倍といわれています。
高い効果が期待できる分、フィナステリドに比べて副作用のリスクもやや高くなります。しかし、医師の診断のもと適切に服用すれば、安全に使用できる薬です。
AGA治療薬で副作用が起きた際の対処方法
AGA治療薬で副作用が起きた際は、すみやかに薬の処方を受けた医療機関で相談してください。薬の継続・中止については専門医が判断するため、独断で薬を飲み続けたり中断したりするのはやめましょう。
なお、専門医の判断の結果、薬を減らしたり、変更したりする措置が取られることがあります。
薬を減らすことでAGA改善の効果が薄れる可能性もあるため、薬の有益性と副作用の危険性を比較し、よく考慮したうえで判断されるでしょう。
また、AGA治療薬は複数あるため、より副作用の出にくいものに変更する場合もあります。また、内服薬と外用薬のどちらも使用している場合、どちらかを中止するよう指示されることもあります。
AGA治療薬は副作用も考慮し個人入手はしない

近年、海外製のAGA治療薬を個人輸入するケースが見受けられますが、リスクが大きいため利用しないようにしましょう。
AGA治療薬に限らず、薬には少なからず副作用のリスクがあります。
個人輸入した薬で副作用が起きた場合、「医薬品副作用被害救済制度」による医療費の給付を受けられません。そもそも、海外から個人輸入された薬は品質保証がされていない、または偽造製品である可能性もあります。
万が一副作用が起きた際、適切なフォローを受けるために、また安全にAGA治療をおこなうために、必ず医師から処方された薬を服用しましょう。
aga治療薬の個人輸入については以下の記事で詳細を記載していますので併せてご覧ください。
AGA治療薬の個人輸入は危険?リスクや安全性、おすすめの購入方法について
AGA治療は薬以外の選択肢もある
内服薬や外用薬の副作用が気になる場合は、薬以外でAGA治療をおこなうという選択肢もあります。その主な選択肢は、「自毛植毛」と「レーザー治療」の2つです。
自毛植毛
自毛植毛とは、後頭部や側頭部などの目立たない部分の毛を採取し、薄毛や抜け毛の気になる箇所に移植する治療です。植え付けた毛はその後も成長を続け、自然に髪が生えるようにあります。
拒絶反応が少ないことや、日本皮膚学会からも推奨されている治療法であること、効果が半永久的に続くなどのメリットがあるほか、AGA治療薬のような副作用もありません。
レーザー治療
レーザー治療では、レーザーや超音波、注射などを用いてAGA治療に有用な成分を頭皮に直接注入します。
有用成分が毛根に直接届くので効果が高く、短期間で発毛を実感できます。施術時の痛みは多少あるものの、ダウンタイムや副作用もほとんどありません。
AGA治療薬は副作用の可能性も理解して正しく服用しよう
AGA治療薬の副作用には、初期脱毛や性機能障害のほか、肝機能障害といった重大なものもあります。
薬には副作用のリスクがつきものなので、AGA治療薬は必ず医療機関で医師の診察を受けたうえで処方してもらいましょう。
持病をお持ちの方や、現在処方している薬がある方はもちろん、健康な方でも医師による診断は必須です。
湘南AGAクリニックでは、無料カウンセリングでお悩みや頭皮の状態を確認したのち、数ある治療法のなかから患者さまに最も適したものをご提案します。
「初めてAGA治療をする」「AGA治療薬の副作用が怖い」「どんな薬が自分に合っているかわからない」という方は、ぜひ一度専門医へご相談ください。