自毛植毛には、「ショックロス」と呼ばれる施術後に一時的に抜け毛が増える副作用があります。施術後に抜け毛が増えると焦られる方が多くいらっしゃいますが、ショックロスは効果が出てきている証拠でもあります。本記事では、ショックロスについて詳しくご紹介します。
自毛植毛後のショックロスとは
こちらの症例写真は植毛をして2ヵ月後の症例です。術後に薄毛が目立っているように見えます。このように、自毛植毛のあとに一時的に現れる抜け毛の増加は「ショックロス」と呼ばれます。手術や麻酔による影響で起こるといわれており、移植部とその周辺、麻酔を打った範囲でこの現象が現れます。
個人差はありますが、もとの毛髪の10〜15%程度が抜けるといわれています。しかしすべて抜けることはありません。あくまで一時的な現象で、半年〜1年程度でまた生えてきます。
自毛植毛によるショックロスの原因
ショックロスの原因は、実はまだはっきりわかっていません。考えられる原因としては、麻酔による影響、移植部の炎症による影響などが挙げられます。麻酔や炎症によって、ヘアサイクルの乱れにつながる可能性があるからです。
またストレスが原因による薄毛を発症した方は、術後に抜け毛が増えることでさらにストレスを感じ、結果抜け毛が増えてしまうケースがあります。気にしすぎがかえって頭皮に悪影響を与えることもあるのです。あくまで一時的な現象であると割り切って、過度なストレスを抱えないようにしましょう。
自毛植毛後のショックロス発症時期と確率
ショックロスを発症するのは、植毛後3〜4ヵ月の間に多いといわれています。個人差があるため、なかには術後数週間でショックロスが現れるケースもあります。
発症する確率は20%程度ですが、抜け毛の程度が少なく気付かない方もなかにはいるようです。確率は20%程度とされていますが、程度の差はあれど多くの方に起こりうる現象であるといえるでしょう。
自毛植毛後の脱落とショックロスの違い
植毛後に見られる「脱落」という毛が抜ける現象があります。ショックロスとよく混同されがちですが、まったくの別物です。脱落は、移植した髪がしっかり定着せずに抜け落ちてしまうことです。一見似たような現象にみえますが、次のような違いで見分けられます。
1つは発生時期です。ショックロスは3〜4ヵ月後に現れるのに対し、脱落は術後24時間程度で現れます。2つ目は出血の有無です。脱落の場合は、抜け落ちた髪と一緒に出血する場合があります。
これらの違いで両者の見分けができるはずです。
さらにショックロスは一時的なものでのちに回復しますが、脱落によって抜け落ちた髪は、回復することはありません。とはいえ植毛の定着率は90%以上といわれているため、脱落が起こる確率は極めて低いといえます。
自毛植毛後のショックロスの予防方法
ショックロスの予防法として有効とされているのが、AGA内服薬・外用薬の併用です。AGA治療薬のプロペシアやザガーロは、抜け毛の原因となるDHTの生成を抑えて、ヘアサイクルを正常に戻す効果があります。
ショックロスはヘアサイクルの乱れが原因であるとも考えられるため、これらの治療薬を併用することで、発生率を低減できる可能性があります。
また、外用薬であるミノキシジルは、血行促進と発毛効果があります。使い始めるタイミングは担当医と要相談ですが、併用することでショックロスを予防できる場合があります。
ショックロスの原因はまだ科学的に解明されていないこともあり、確実な予防法であるとはいえませんが、ショックロスの軽減に期待ができるといわれています。
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自毛植毛後ショックロスになったときの対処方法
ショックロスの抜け毛の程度は人それぞれで、そこまで気にならない方もいるようです。しかし抜け毛が目立つ場合、いずれ回復するとはいえ見た目が気になってしまう方も多いのではないでしょうか。
ここでは、そんなときの対処方法をご紹介します。
周りの髪でカバーする
シンプルな方法ですが、周りの髪でカバーすることで抜け毛部分を隠せます。生え際が気になるなら、前髪を作る、ふわっとスタイリングするなどで髪型を工夫し、抜け毛部分を隠すことが可能です。
かつらや帽子を着用する
頭頂部のショックロスは髪でカバーするのは難しいですが、ポイントウィッグや帽子が有効です。ダウンタイム中、なるべく患部は刺激を与えないほうがよいため、蒸れにくく通気性のよいものが好まれます。
ケラチンパウダーを使用する
生え際や頭頂部のどちらもカバーできるのがケラチンパウダーです。ケラチンパウダーは、抜け毛が気になる箇所にふりかける粉のことで、毛を太く見せたり増毛して見せたりできるスプレータイプの製品です。
自然に増毛したように見えるため、ショックロスのケアとしておすすめです。傷や炎症があると使えないため、使い始めのタイミングは医師と相談してみてください。
まとめ
自毛植毛のショックロスは誰しもに起こりうる現象ですが、あくまで一時的なものです。発症率は20%程度ですが、発症しても見た目の変化はそこまでないという方もなかにはいるようです。
予防策としては、AGA内服薬や外用薬の併用が考えられます。また発症してしまった場合も、既存の髪でカバーする、帽子やウィッグをかぶる、ケラチンパウダーを使うなどで対処ができます。時間の経過とともにもとに戻るため、ストレスを抱えすぎないようにしましょう。
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