プロペシア(フィナステリド)を服用する際には血液検査が必要
プロペシアを服用する際には血液検査が必要です。血液検査をおこなう目的は2つあり、1つは患者さんの健康状態を知ることで、もう1つはプロペシアの服用に問題がないかどうかを確認することです。
プロペシアも化学的に製造された医薬品なので、副作用のリスクがあります。そのため血液検査をおこなって身体の健康状態を調べ、プロペシアの服用に耐えられるかどうかを調べておく必要があるのです。
血液検査はプロペシアを処方する際にだけおこなわれるわけではなく、プロペシアの服用中は定期的におこなわれるのが一般的です。
AGA治療の前に血液検査が必要な理由
AGA治療前の血液検査は、前述で触れたように健康状態のチェック及びAGA治療薬使用の可否を調べるためにおこないます。さらに薄毛の原因を判断することが主な理由です。
治療薬使用の可否の判断ため
代表的なAGA治療薬のプロペシアは、フィナステリドが配合されています。「発毛効果がある」として厚生労働省から認められている有効成分です。フィナステリドは、5α-リダクターゼを妨げ、抜け毛の原因となるジヒドロテストステロンの産生を抑制します。
とくに男性型脱毛症(AGA)に特徴的なつむじ周りの薄毛や、前頭部の薄毛を改善するのにプロペシアが効力を発揮します。
しかし効果的な治療薬であるとはいえ、化学的に製造された医薬品であり、当然副作用があります。代表的な副作用は性欲の減少や勃起機能不全といった男性機能の低下ですが、重篤な副作用として肝機能障害が添付文書に追記されました。
化学的に製造された医薬品は、身体に悪影響をもたらすことがあります。そのため、人によってはAGA治療薬を服用すると、体内の解毒機関である肝臓への負担が増す場合があるのです。
血液検査をおこなうと、GPT(ALT)やGOT(AST)、γGTPなどの肝臓の数値が確認できます。血液検査によってプロペシアやその他AGA治療薬の副作用のリスクを調べ、服用の可否判断をしているわけです。
薄毛の原因を調べるため
薄毛の原因は、AGAだけではありません。自己免疫反応による円形脱毛症や、甲状腺の異常による薄毛などさまざまです。
AGA治療薬は、AGAにのみ効果を発揮します。つまり、薄毛の原因がAGAでない場合、治療薬を投与しても無意味になってしまうのです。したがって、AGA以外で考えられる薄毛の原因を調べておく必要があります。
血液検査によって、薄毛の原因がAGAである確証を得るわけではありませんが、1つの大きな判断材料になります。
血液検査を含めた、目視やマイクロスコープなどの事前検査で医師がAGAの可能性が高いと診断してからはじめて、治療がスタートできるのです。
血液検査でわかる主な4つのこと
血液検査では、主に次の4つのことがわかります。
薄毛の原因
血液検査では、AGA以外の薄毛の原因が調べられます。薄毛の原因として、甲状腺の異常や鉄欠乏症などがあげられます。これらは血中のヘモグロビンの数値や甲状腺ホルモンの数値から判断が可能です。数値が低い場合は、AGA以外の脱毛症である可能性があります。
AGA治療の可否と肝臓の数値
血液検査では、肝臓の数値も調べられます。血液検査が必要な理由でも触れたとおり、AGA治療薬には副作用があります。特にプロペシアやザガーロは、肝臓で代謝される治療薬です。
AGA治療薬の副作用の発生率は比較的低いですが、肝機能の低下がみられる場合、肝機能障害を引き起こすリスクがあります。
AGA治療による効果予測
血液検査で調べられるさまざま数値を参考に、事前に薬の効果予測を確認できます。薬の効きめには個人差がありますが、肝機能の代謝のよさなどによって大体の効果予測が立てられます。患者の体質に合わせて医師も治療薬の処方がしやすくなります。
AGAに関する遺伝子検査
血液検査は遺伝子検査を兼ねる場合があり、AGA発症のしやすさがわかり、AGAかどうかの判断材料の1つとなります。なぜならAGAのおよそ4分の1は、遺伝によってもたらされるからです。
男性ホルモンには、テストステロンがより強力になったジヒドロテストステロン(DHT)という悪玉の男性ホルモンがあります。このDHTが、アンドロゲンレセプターと合わさり、「TGF-β」という有害なサイトカインの1種を生み出すことによって、AGAが起こります。
そしてテストステロンが悪玉のDHTに変化するとき、触媒として作用するのが、5α-リダクターゼです。
この5α-リダクターゼには、「Ⅰ型」と「Ⅱ型」があります。Ⅰ型5α-リダクターゼは、頭部の皮脂腺はもちろん、全身に分布している特徴があります。一方、Ⅱ型の5α-リダクターゼが多く分布しているのは、頭頂部や前頭部の毛包部です。
つまりAGAの特徴である「O字ハゲ」や「M字ハゲ」は、Ⅱ型の5α-リダクターゼが活発に働くことによってもたらされるというわけです。
検査によってⅡ型の5α-リダクターゼが活発に働く遺伝子であるか、アンドロレセプターの感受性(ジヒドロテストステロンとの結合のしやすさ)などを調べられます。ただし必須の検査項目ではないため、別途に料金がかかることが一般的です。
AGA治療前におこなう血液検査の方法と費用
血液検査は、一般的な健康診断と同じく注射で血液を採取し、その後1週間程度で結果がわかります。血液検査は原則必須ですが、診察日より6ヵ月以内の血液検査をしていれば、採血は不要となることがあります。6ヵ月以内の血液検査結果をご持参ください。検査費用はクリニックにより異なりますが、5,000円程度です。遺伝子検査をともなう場合は、費用が高くなります。
病院で実施する血液検査の他に、自宅で気軽にできる検査キットもあります。自宅検査キットは髪の毛や口の中の粘膜を採取して、検査機関に送る方法です。インターネットで購入でき、費用は数千円〜数万円と上下します。検査結果がわかるまでは、数週間〜1ヵ月程度です。
クリニックによっては、自宅でできる採血キットもあります。
湘南AGAクリニックでは、オンライン診療と血液検査キットによって、来院不要でAGA治療薬の処方が可能です。
血液検査でAGAの治療薬が使えないと判断された場合
血液検査の結果、AGA治療薬が使えないと判断された場合は、薬の投与以外の治療が選択肢となります。AGA治療には、頭皮に直接塗布する外用薬や、頭皮に薬剤を注入するメソセラピーといった治療法があります。他にも、自分の毛髪を薄毛部分に移植する自毛植毛も1つの選択肢です。
これらの治療法も副作用やリスクがあるため、医師が頭皮の状態を確認しながら、適切な治療法を提案します。
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プロペシア(フィナステリド)を自己判断で服用している人は健康診断を受けるべき
AGAは病院や専門のクリニックで治療できる時代となっています。ただAGAの治療は審美目的でおこなうものであるため、保険の適用がありません。
そのため治療費は全額自己負担ということになります。日本皮膚科学会の定義によると、男性型脱毛症は思春期以降に見られる「進行型の脱毛症」だと定義されています。
つまり治療をやめた途端、また薄毛に戻ってしまうのです。そうなってくるとネックになるのが治療費です。
病院の診察代と薬代を定期的に払っていると、1ヵ月あたりの支払が結構な額になってしまいます。そのため通信販売を利用してプロペシアを購入する人も増えているようです。
ただし先ほども述べたように化学的に製造された医薬品には必ず副作用があります。自己判断で服用を続けていると、肝臓の変調になかなか気が付くことができません。
肝臓は「沈黙の臓器」とも呼ばれており、よほど肝機能が低下しない限り、自覚症状が現れないのです。
そのため個人でプロペシアを購入している人は、定期的に健康診断を受けることが重要です。
まとめ
飲み薬で気軽に始めれるAGA治療薬ですが、事前の検査が重要です。人によっては重篤な副作用のリスクがあるため、血液検査で調べる必要があります。また、そもそもAGAでない場合は、いくら薬を飲み続けても効果はありません。
事前の血液検査と医師の診断なしで、自己判断でAGA治療薬を服用することはリスクをともないます。また、個人輸入で入手したAGA治療薬もおすすめできません。本当に効果があるのか、どのような副作用があるのかわからないためです。安全でより効果の高い治療を受けるためにも、医療機関を受診し、検査を受けたうえでAGA治療を始めましょう。
湘南AGAクリニックでは、頭皮チェックやマイクロスコープを使用した診断、再診などを無料でおこなっています。薄毛が気になる、まずは見てもらいたいという方は、まずはお気軽にご相談ください。