プロペシアはホルモンバランスを整える治療薬です


プロペシアはホルモンバランスを整える、男性型脱毛症(AGA)の治療薬です。男性が薄毛になる原因は実にさまざまですが、そのうちの1つとしてホルモンバランスの乱れがあげられています。

ホルモンバランスが乱れることによって皮脂の分泌量が増加すると、脂漏性脱毛症を発症するリスクが高くなります。

またホルモンバランスの乱れによってヘアサイクルに悪影響が及ぶと、髪の毛が成長しきらないうちに抜け落ちるリスクも高くなるでしょう。

プロペシアの有効成分にはホルモンバランスを整え、抜け毛を予防する効果が期待されています。

フィナステリドという成分が男性ホルモンによる抜け毛に作用します

プロペシアはホルモンバランスを整えることを目的とした、男性型脱毛症(AGA)の治療薬です。男性型脱毛症にはいろいろな原因がありますが、ホルモンバランスの乱れもそのうちの1つにあげられています。

男性ホルモンであるテストステロンがより強力な男性ホルモンであるジヒドロテストステロンへと変化すると、抜け毛のリスクが高くなるということです。

なぜならジヒドロテストステロンがアンドロゲンレセプター(受容器)に反応することで、退行期誘発因子である「TGF-β」が産生されるからです。

TGF-βは有害なサイトカインの一種であり、ヘアサイクルを乱して抜け毛のリスクを高めます。ヘアサイクルとは髪の毛が生えてから抜け落ちるまでの周期のことで、通常は4年から6年で一周するということです。

ヘアサイクルは通常、髪の毛の成長期→退行期→休止期→成長期…という風にサイクルしており、ヘアサイクルの85%から90%は髪の毛の成長期によって占められています。

ところがTGF-βの働きによって退行期が早く訪れると、髪の毛が十分に成長する前に抜け落ちてしまうのです。

テストステロンがジヒドロテストステロンへと変化する際に触媒としての働きをするのが「5α還元酵素」と呼ばれる酵素の一種です。プロペシアに含まれている有効成分であるフィナステリドには、5α還元酵素の働きを阻害する効果があります。

それによってジヒドロテストステロンの産生を抑制し、結果として抜け毛のリスクを下げることが可能となるのです。

プロペシアの摂取には注意点もあります

プロペシアに限った話ではありませんが、化学的に製造された医薬品には必ず副作用が伴います。ではプロペシアの有効成分であるフィナステリドがホルモンバランスにアプローチする場合、どのようなデメリットがあるのでしょうか。

プロペシアの販売元であるMSD社の添付文書には、48週間にわたる二十盲検比較試験の結果が載せられています。

その結果、271例中11例(およそ4%)において14件の副作用が認められたということです。主な副作用としては性欲の減少や勃起機能不全といった男性機能の低下があげられています。

とはいうものの性欲の減少に関しては3例(1.1%)がみられるだけであり、勃起機能不全に関しては2例(およそ0.7%)しか見られておらず、それほど副作用のリスクが高いとは言えません。

ただ実際にプロペシアを服用した人の中には男性機能の低下を訴える人が一定数いますし、プロペシアによって男性機能が低下すると思いこんでいるケースもあるようです。

そのような場合、EDの治療薬とプロペシアを併用するケースもあります。

プロペシアは原則として病院で入手しましょう


男性型脱毛症は病院や専門のクリニックで治療できる時代になっています。ただし保険の適用がないため、治療費は全額自己負担となります。

そのため海外製のジェネリックなどを個人で輸入したり、個人輸入代行店から購入したりする人もいるようですが、化学的に製造された医薬品には副作用のデメリットがあることを忘れてはいけません。

もし個人でプロペシアを購入して服用する場合、どのような不利益が生じても自己責任ということになります。

頻度こそ不明ですが、海外ではポストフィナステリド症候群と呼ばれる副作用が新たに発見されています。

プロペシアの服用をやめたのにプロペシアの副作用が見られたり、プロペシアの服用をやめて数年経ってから、プロペシアの副作用が現れたりするのが特徴です。

病院やクリニックでは症状変化を見守りつつ定期的に血液検査を行うなどして、安全な男性型脱毛症の治療に取り組んでいます。

プロペシアは原則として病院やクリニックなどで処方してもらいましょう。

(まとめ)プロペシアでホルモンバランスは乱れる?

1.プロペシアはホルモンバランスを整える治療薬です

プロペシアは男性型脱毛症(AGA)の原因の1つである、ホルモンバランスの乱れを整えるための治療薬です。

ホルモンバランスを整えることで皮脂の分泌量やヘアサイクルを正常化し、抜け毛のリスクを下げます。

2.フィナステリドという成分が男性ホルモンによる抜け毛に作用します

ホルモンバランスが乱れると抜け毛の量が増え、男性型脱毛症のリスクが高くなります。

プロペシアの有効成分であるフィナステリドは男性ホルモンのバランスを整え、抜け毛のリスクを下げます。

3.プロペシアの摂取には注意点もあります

プロペシアによってホルモンバランスを整える際、一定の割合で男性機能の低下が見られます。

しかしその割合はそれほど高くありません。場合によってはEDの治療薬を併用することで、解決できるケースもあります。

4.プロペシアは原則として病院で入手しましょう

プロペシアのような化学的に製造された医薬品には副作用が伴うので、原則として病院やクリニックで処方してもらいましょう。

個人で入手して不利益が生じた場合、それは自己責任ということになります。

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監修医情報

斎藤医師

湘南AGAクリニック
新宿本院院長 斎藤医師

経歴

  • 1994年三重大学医学部卒業
    同付属病院脳神経外科入局
  • 2001年大手美容外科勤務、院長職
  • 2009年湘南美容外科クリニック勤務
  • 2016年湘南AGAクリニック大阪院勤務
  • 2023年湘南AGAクリニック新宿本院勤務

運営者情報

運営クリニック 湘南AGAクリニック 新宿本院
住所 〒160-0023
東京都新宿区西新宿6丁目3番1号 新宿アイランドウイング7階
お問い合わせ 0120-548-911
院長 斎藤 浩一医師