プロペシアと甲状腺機能亢進症の治療薬は併用可能です
プロペシアには「フィナステリド」という有効成分が含まれています。フィナステリドは男性ホルモンに働きかけることで薄毛の改善を目指します。
甲状腺機能亢進症の治療薬としては「メルカゾール」がよく知られています。メルカゾールは甲状腺ホルモンに働きかけることで、甲状腺機能亢進症の症状を抑えます。
このようにプロペシアとメルカゾールには異なった働きがあるので、原則として併用しても問題はないでしょう。
プロペシアと甲状腺機能亢進症の治療薬は全く異なる薬剤です
プロペシアは男性型脱毛症(AGA:Androgenetic Alopecia)の治療薬としてよく知られており、メルカゾールは甲状腺機能亢進症の治療薬としてよく知られています。両者には以下で説明するような異なる薬効があるので、併用してもとくに問題ありません。
プロペシアには厚生労働省によって「発毛効果がある」と正式に認められたフィナステリドという有効成分が含まれています。フィナステリドには「5α-リダクターゼ」の分泌を抑制する働きがあります。
男性ホルモンであるテストステロンが強力になると、ジヒドロテストステロンへと形を変えます。
ジヒドロテストステロンが男性ホルモン受容器であるアンドロゲンレセプターと結びつくと、有害なサイトカインの一種である「TGF-β」が産生されます。
TGF-βは「退行期誘発因子」とも呼ばれており、髪の毛の成長期を短縮します。その結果として髪の毛が十分に成長しないうちに抜け落ちてしまうのです。
5α-リダクターゼは男性ホルモンであるテストステロンが、ジヒドロテストステロンへと変化する際の触媒となります。そのためフィナステリドによって5α-リダクターゼの分泌が抑えられると、抜け毛を予防できるのです。
甲状腺機能亢進症のほとんどはバセドウ病と呼ばれる疾患です。甲状腺ホルモンの過剰な分泌によって全身の新陳代謝が高まる病気です。
症状としては、食欲が増すのに体重が減る・汗を大量にかく・排便障害・眼球突出・精神的イライラなど、いろいろなことがあげられます。甲状腺機能亢進症には抗甲状腺薬であるメルカゾールなどがよく用いられます。
メルカゾールには甲状腺ホルモンの過剰な分泌を抑える効果があります。そのため甲状腺機能亢進症による症状を抑制できるのです。
このようにプロペシアとメルカゾールはアプローチする対象が異なっているので、併用しても問題ないのです。
プロペシアとメルカゾールには副作用があります
プロペシアやメルカゾールのように化学的に製造された医薬品には必ず副作用が伴います。両者の副作用としては以下のようなことがあげられています。
プロペシアに対する二重盲検比較試験の結果、男性機能の低下や肝機能障害などの副作用が報告されています。男性機能低下のケースとしては勃起不全や性欲の減少などがあげられています。
また重大な副作用として肝機能障害があげられていますが、発症頻度は不明ということです。
海外ではプロペシアの服用をやめてからも、プロペシアの副作用のような症状が現れる「ポストフィナステリド症候群」がみられるようになっています。
メルカゾールの副作用としてよく知られているので「無顆粒球症」です。顆粒球は白血球に含まれており、免疫機能と深く関わっています。
無顆粒球症を発症すると扁桃腺炎をおこしたときのようなのどの痛み、風邪のときのような発熱、倦怠感といった症状が現れます。ひどくなると敗血症や肺炎といった重症感染症を発症することもあります。
定期的な健康診断や血液検査が必要です
プロペシアは一般的に病院での診察を経て処方されるものなのですが、通信販売でも購入することができます。しかし自己判断で服用した場合、副作用が現れたときにも自己責任となるため、基本的にはおすすめできません。
薬の服用に際しては、定期的に健康診断を受けて、肝臓の数値などを確認することが重要です。
メルカゾールには無顆粒症という副作用のリスクがありますが、最悪の場合、命に関わることもあります。とくにメルカゾールの服用開始から2ヶ月の間が無顆粒球症の好発期間とされています。
そのため病院ではメルカゾールの服用開始から2ヶ月の間、2週間に1度の血液検査を行うのが通常です。また2ヶ月を過ぎてからも定期的に血液検査を行い、副作用の有無を確認しています。
メルカゾールを服用している間は、副作用症状の有無を確認することも重要です。
風邪を引いたときのような倦怠感や発熱、扁桃腺炎をおこしたときのようなのどの痛みがある場合、速やかに医療機関を受診することが重要です。
(まとめ)プロペシアは甲状腺機能亢進症の治療中も服用できる?
プロペシアの有効成分であるフィナステリドは男性ホルモンにアプローチし、甲状腺機能亢進症の治療薬であるメルカゾールは甲状腺ホルモンにアプローチします。
薬効が異なるので、両者を併用することにはとくに問題がありません。
プロペシアに含まれているフィナステリドは男性ホルモンにアプローチし、甲状腺機能亢進症の治療薬であるメルカゾールは甲状腺ホルモンにアプローチします。
薬効が異なる両者を併用してもなんら問題はありません。
プロペシアを服用すると少数例ではあるものの、男性機能低下の低下するケースがあります。
メルカゾールには無顆粒球症という副作用があり、最悪の場合は命にも関わります。
プロペシアを通販で購入する場合、定期的に健康診断を受けて肝臓の数値などを確認することが重要です。
メルカゾールを服用している間は、副作用症状の有無に気をつける必要があります。