フィナステリドとデュタステリドの違いはその効果です
フィナステリドとデュタステリドはともに男性型脱毛症(AGA:Androgenetic Alopecia)の治療薬に配合されている成分なのですが、フィナステリドとデュタステリドの違いはその効果にあります。ひとことで説明すると、フィナステリドよりもデュタステリドの方が、発毛効果が高いのです。
男性型脱毛症の原因として5α-リダクターゼの存在があげられていますが、フィナステリドもデュタステリドも5α-リダクターゼの働きを阻害する効果を有しています。ただフィナステリドよりもデュタステリドの方が、5α-リダクターゼの働きを阻害する効果が高いのです。
デュタステリドの発毛効果はフィナステリドの1.6倍です
フィナステリドもデュタステリドも男性型脱毛症の治療薬に含まれている代表的な有効成分ですが、デュタステリドの発毛効果は、フィナステリドの1.6倍とされています。それについて理解するためには、まず男性型脱毛症の原因である5α-リダクターゼについて理解しておく必要があります。
男性型脱毛症は思春期以降に見られる進行性の脱毛症です。その原因の1つとして、還元酵素の一種である5α-リダクターゼの存在があげられています。
5α-リダクターゼは、男性ホルモンであるテストステロンが、より強力な男性ホルモンであるジヒドロテストステロンへと変化する際、触媒としての役割を果たします。ジヒドロテストステロンはアンドロゲンレセプターと呼ばれる男性ホルモン受容器に結合し、抜け毛の元となる有害なサイトカインを産生するのです。
このため遺伝的に5α-リダクターゼの働きが活発であると、男性型脱毛症を発症しやすいのです。5α-リダクターゼには1型と2型の2種類があり、1型の5α-リダクターゼが全身の皮脂腺に多く分布しているのに対し、2型の5α-リダクターゼは頭頂部や前頭部に多く分布しています。
つまり2型の5α-リダクターゼの働きが活発だと、男性型脱毛症の特徴である「O字ハゲ」や「M字ハゲ」になりやすいと言えるでしょう。デュタステリドはフィナステリドに比べて、2型の5α-リダクターゼの働きを抑制する力が強いため、フィナステリドの1.6倍の発毛効果があるとされています。
フィナステリドとデュタステリドには半減期に違いがあります
フィナステリドとデュタステリドには、有効成分の半減期に違いがあります。有効成分の半減期とはその名の通り、血液中の有効成分が半分量になるまでの期間のことです。
フィナステリドの半減期がおよそ6時間から8時間であるのに対し、デュタステリドの半減期は3週間から5週間ほどとされています。デュタステリドの方が、フィナステリドよりも半減期が長いため、それだけ長いあいだ有効成分が体内にとどまることになります。
そのためデュタステリドの方が、フィナステリドよりも発毛効果が高いのです。フィナステリドとデュタステリドにはほかにも違いがあります。
フィナステリドは基本的に2型の5α-リダクターゼの働きを阻害する治療薬です。一方デュタステリドには2型だけでなく、1型の5α-リダクターゼの働きを阻害する効果もあります。
さらに2型の5α-リダクターゼの働きを阻害する効果に関しても、デュタステリドにはフィナステリドの3倍の効果があるということです。そのためフィナステリドに比べるとデュタステリドの方が、高い発毛効果を期待されているのです。
フィナステリドとデュタステリドには副作用もあります
フィナステリドよりもデュタステリドの方が、有効成分の半減期が長いということでした。その分だけ高い治療効果を得られるのですが、半減期が長いのはいいことずくめという訳ではありません。
なぜなら薬の有効成分が体内に長くとどまるということは、副作用のリスクも高くなるということだからです。フィナステリドにもデュタステリドにも、ともに男性ホルモンにアプローチする働きがあるため、副作用として男性機能低下のリスクがあるということです。
とくにデュタステリドはジヒドロテストステロンの産生をほぼ完璧に阻害するため、フィナステリドに比べると男性機能低下のリスクが高いとされています。男性機能の低下としては、勃起機能不全や射精障害、性欲の低下や精液量の減少などがあげられています。
また、初期脱毛や肝機能障害は、デュタステリドとフィナステリドに共通する副作用です。
ただ医薬品のリスクはフィナステリドやデュタステリドに限ったことではありません。化学的に製造された医薬品には必ず副作用があるものです。
そのため医師の指導を仰ぎ、用法・用量を守って正しく医薬品を服用することが重要なのです。
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(まとめ)フィナステリドとデュタステリドには違いがある?
フィナステリドもデュタステリドも男性型脱毛症の治療薬に含まれる成分の代表的なものです。ただフィナステリドに比べると、デュタステリドの方が男性型脱毛症の原因である5α-リダクターゼの働きを阻害する効果が強いので、高い発毛効果が期待できます。
フィナステリドもデュタステリドもともに男性型脱毛症の治療薬の主成分となっていますが、デュタステリドはフィナステリドよりも5α-リダクターゼの働きを阻害する力が強いとされています。そのため1.6倍の発毛効果が期待できるのです。
フィナステリドとデュタステリドでは有効成分の半減期に違いがあります。フィナステリドの半減期は6時間から8時間ですが、デュタステリドの半減期は3週間から5週間です。
その分だけデュタステリドの方が治療効果も高いのです。
デュタステリドはフィナステリドよりも半減期が長いので、その分治療効果も高くなっています。ただ半減期が長いということは副作用のリスクも高いということです。
副作用としては男性機能の低下がよく知られています。