AGAは進行型の男性脱毛症です。発症してそのままにしておくと徐々に髪は薄くなり、抜けていきます。いつの間にか薄毛になっていた、知らぬ間にAGAを発症していた、という方も珍しくありません。AGAの進行速度は、実際どのくらいなのでしょうか。本記事では、AGAの進行速度の目安や進行パターン、AGA進行を遅らせる方法について解説します。
AGAの進行速度は?5年程度でステージ1〜2に進行する
AGAの進行速度は5年を目安に進行し、目に見えて薄毛が目立つようになるといわれています。「AGAの毛髪数の変化」に関する海外のデータによれば、AGA発症後に直径1インチの円内(500円玉程度)の毛髪数が、5年間で経時的に減少したとする報告がありました。(18〜41歳の軽症から中等症のAGA発症患者1,553例を対象)
AGAにはステージごとに7段階の進行度がありますが、5年でステージ1〜2に進行するともいいます。ただし、AGAの進行速度には個人差があります。5年間はあくまで目安であることを覚えておきましょう。
AGAはゆっくり進行する
AGAは発症してから5年程度かけて徐々に進行し、薄毛になります。つまり急激に進行するものではありません。進行速度がゆっくりであるため、発症していることに気付かない方も多いのがAGAです。もし急激に薄毛が進行したり、抜け毛が増えたという場合は、AGAではなく別の原因や脱毛症を発症している可能性があります。
若年層のAGA進行速度は速い
AGAの進行速度は基本的にゆるやかですが、若年層(10代後半・20代)で発症した場合は、進行速度が速いといわれています。進行速度が速くなる要因としては、生活習慣の乱れや不十分なヘアケアなどが若年層で多くみられることが考えられています。AGAの根本的な原因は、遺伝や男性ホルモンによるものです。しかしそのうえに不摂生な生活習慣や頭皮環境の悪化などが重なると、さらに進行を加速させてしまう可能性があるのです。
ただし、若年層の方が治療の効果が出やすいという側面もあります。初期段階で治療を開始すれば、高確率で進行を食い止められるといえるでしょう。
AGAの年代別の発症率
AGAは、思春期以降に発症する進行型の脱毛症です。多くの場合、20代後半〜30代にかけて薄毛が目立ち始め、40代以降に薄毛が完成するといいます。発症率は年代別で異なり、20代で10%程度、30代で20%程度、40代で30%程度と、年齢が上がるにつれて発症率も高まります。
AGAの進行パターンと7段階の進行度
AGAの進行パターンはM字型・O字型・U字型の3パターンがあり、進行度は7段階に分けられます。この3パターン・7段階の分類は、ハミルトン・ノーウッド分類と呼ばれ、AGAの進行度を確認する際にも用いられる分類表です。
AGA進行の3パターンについて、それぞれご紹介します。
AGAのM字型の進行パターン
M字型の進行パターンは、おでこの生え際から徐々に薄くなっていくタイプのAGAです。よく「M字ハゲ」ともいわれますが、その大半はAGAを発症しているといってよいでしょう。左右の生え際が後退している、生え際の髪が弱々しく軟化しているなどの症状がある場合、高確率でAGAです。M字ハゲは、AGAの比較的初期にみられる状態ですが、放置すると広範囲な薄毛のU字型になる場合があります。
AGAのO字型の進行パターン
O字型の進行パターンは、つむじ(頭頂部)から徐々に薄くなっていくタイプのAGAです。「つむじハゲ」ともいわれます。つむじ周辺の髪が薄くなる、地肌に透け感がでてくるなどの症状が現れたら、O字型のAGAを発症している可能性が高いといえます。O字型の進行パターンは、頭頂部であるため自分では気付きにくく、知らぬ間に進行してることがあります。
AGAのU字型の進行パターン
U字型の進行パターンは、前頭部から徐々に薄くなっていくタイプのAGAです。M字ハゲは左右の生え際ですが、U字型は全体的におでこが後退していきます。3パターンのなかでも最も広範囲な薄毛で、頭頂部からも薄毛が進行します。重症化すると、前頭部と頭頂部がつながって頭全体が薄毛になってしまいます。
AGAを完治させることが難しい理由
AGAは、適切な治療を受けることで進行を遅らせることが可能です。しかし完全に進行をストップさせ、完治させることは残念ながらできません。現在の医学でも、AGAを完治させる治療法はまだ見つかっていないからです。
治療薬はAGAに有効ですが、薬の服用をストップすると、ふたたびAGAが進行してしまいます。そのため薄毛を改善したい場合は、AGAとうまく付き合い、治療薬を服用し続けることになります。とはいえ薄毛が改善したあとで、薬の量を減らすなどの調整は可能です。また自毛植毛などの外科的手術で、半永久的な毛髪を手に入れることもできます。ただし自毛植毛の場合も、治療薬の服用と併用するケースがほとんどです。
AGAの進行速度を遅らせる方法
AGAを完治させることは難しいですが、進行速度を遅らせる方法はいくつかあります。今日からでも取り組める方法です。将来の薄毛予防を考えている方や、現在薄毛が気になり始めた方は、生活に取り入れてみてはいかがでしょうか。
AGAの進行速度を遅らせる方法として、期待できるのは次の5つです。
頭皮環境を良好に保つ
頭皮環境が悪いと薄毛につながる可能性があります。まずは髪の洗い方やケアの仕方を見直すことで、発毛のベースとなる頭皮環境を改善できます。
熱いお湯で爪を立ててゴシゴシ洗う、シャンプー後は乾かさないでそのまま寝るなどは要注意です。
まずシャンプーの前に熱すぎないお湯で地肌をすすぎ、汚れを落とします。その後、手のひらで泡立てたシャンプーで髪や地肌を洗います。このとき指の腹を使って優しく、かつ頭皮をマッサージするように洗いましょう。頭皮の血行を促す効果があります。よく洗ったらシャンプーが残らないようによくすすぎます。コンディショナーも同様です。
しっかりタオルドライしたあと、頭皮から20センチ以上離しながら、ドライヤーで乾かしてください。
当たり前のようですが、意外とこのようなケアができていない方もいるのではないでしょうか。適切な髪のケアを取り入れて、健やかな頭皮と髪を保ちましょう。
タンパク質やミネラルを摂る
タンパク質やミネラルは、髪の成長に欠かせない栄養素です。乱れた食生活やバランスの悪い食事は髪の成長を妨げ、薄毛につながってしまうこともあります。
タンパク質を多く含む、豆類(納豆・豆腐)・魚類(かつお・サケ・サンマ)・鶏肉(ささみ・ヒレ・ムネ)などがおすすめです。卵もタンパク質を多く含みます。ミネラルを多く含む食材としては、牡蠣・わかめ・ごま・いわし・昆布などが挙げられます。
これらの食材を積極的に取り入れ、バランスのよい食生活に改善しましょう。
タバコを辞める
タバコは百害あって一利なしといわれるように、髪にも有害です。タバコのニコチンは血行を滞らせる作用があります。髪に必要な栄養素は、血行によって運ばれますが、喫煙による血行不良でこれが妨げられるのです。栄養が髪にしっかり届かず、薄毛につながってしまう可能性があります。
AGA治療を始めるにあたっても、基本的には医師から禁煙を推奨されるでしょう。
6時間以上の睡眠をとる
髪は寝ている間に成長するといわれており、寝不足が薄毛につながるケースがあります。睡眠時には成長ホルモンが多く分泌され、髪を成長させたり、修復させたりします。少なくとも6時間以上の睡眠を摂るように心がけてみてください。
AGA治療薬を使用する
AGAの進行速度を遅らせる最も有効な方法は、AGA治療薬の服用です。なかでもフィナステリド(プロペシア)は、AGAに効果のある治療薬として世界でも広く利用されています。AGAの主な原因は、男性ホルモンです。フィナステリドは悪玉の男性ホルモンを抑制し、毛髪のサイクルを正常に戻すことでAGAを改善します。前述した生活習慣の改善や、バランスのよい食事などと合わせて取り入れることで、より早く効果を実感できるでしょう。
AGAは早期治療が鍵!治療薬を服用して進行速度を遅らせよう
進行型の脱毛症であるAGAの進行速度はゆるやかです。5年程度かけてゆっくり進行します。進行速度には個人差がありますが、若年層で発症すると進行速度が比較的速いといわれています。しかしその分効果が出やすく、早期治療で進行を食い止められるはずです。AGAの進行速度を遅らせる方法として、最も効果が高いのがAGA治療薬の服用です。AGAの根本原因とされる悪玉の男性ホルモンを抑えるため、最短3ヵ月程度で効果を実感できるでしょう。
AGAは「いつの間にか薄毛になっていた」と発症に気付かない方も多いといいます。しかし今「もしかしてAGA?」といち早く気付いているあなたなら、対策を講じることで進行を遅らせ、将来の薄毛を回避できるはずです。まずは専門のクリニックに相談することから始めてみてはいかがでしょうか。
湘南AGAクリニックのカウンセリングは無料です。自宅で診療を受けられる、オンライン診療のご用意もあります。まずはお気軽にご相談ください。