ザガーロ、プロペシア(フィナステリド)は、どちらもAGA治療薬として有名ですが、どのような違いがあるのでしょうか?本記事では、ザガーロとプロペシアの違い、選び方などについて解説しています。治療薬でのAGA治療を検討している方はぜひご覧ください。
AGA治療薬のザガーロとは
ザガーロとは「デュタステリド」を主成分とするAGA治療薬のことです。AGAの進行を遅延させる効果が得られます。
ザガーロはもともと前立腺肥大症の薬として用いられてきました。しかしAGA治療薬としての効果が認められ、1997年にFDA(米国食品医薬品局)より承認されました。日本では2015年にプロペシア(フィナステリド)に次いで2番目に厚生労働省に認可を受けた治療薬であり、確かな効果と安全性が担保された治療薬といえます。
現在は、ザガーロのジェネリック医薬品として安価な「デュタステリド錠」も広く普及しています。
AGA治療薬のプロペシア(フィナステリド)とは
プロペシアとは「フィナステリド」を主成分とするAGA治療薬のことです。ザガーロと同様に、AGAの進行を遅らせる効果があります。
1997年に米国FDAの認可を受け、2005年に日本で先駆けて厚生労働省からAGA治療薬として認可を受けました。今ではAGA治療をスタートする際のファーストチョイスとして、国外問わず広く利用されています。
ザガーロと同じくジェネリック医薬品として「フィナステリド錠」が販売されており、より安価にAGA治療が続けられるようになっています。
ザガーロとプロペシア(フィナステリド)の比較
ザガーロとプロペシアは、ともに認可を受けて安全性が認められているAGA治療薬ですが、効果や特徴などにいくつか違いがあります。
以下の比較表にそれぞれの特徴をまとめました。
ザガーロ |
プロペシア |
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有効成分 | デュタステリド | フィナステリド |
効果効能 | 5α-リダクターゼⅠ型とⅡ型を抑制・AGAの進行遅延と改善 | 5α-リダクターゼⅡ型を抑制・AGAの進行遅延 |
特徴 | 5α-還元酵素Ⅰ型とⅡ型を阻害する
2015年にプロペシア(フィナステリド)に次いで2番目に厚生労働省に承認された治療薬 |
5α-還元酵素Ⅱ型のみを阻害する
2005年に日本で最初に厚生労働省に承認された治療薬 |
主な副作用 | 初期脱毛・性欲減退・勃起機能障害(ED)・肝機能障害・うつ・精子減少・乳房障害・蕁麻疹 | 初期脱毛・性欲減退・勃起機能障害(ED)・肝機能障害・うつ・精子減少 |
料金 | 1ヵ月:4,840〜9,500円 | 1ヵ月:3,000〜8,250円 |
禁忌事項 |
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ザガーロとプロペシア(フィナステリド)の違い
ザガーロとプロペシアには、異なった有効成分「デュタステリド」と「フィナステリド」が含まれています。これにともなって、効果・効能や効果の範囲、副作用、献血の可否などに違いがあります。各項目ごとに詳しく解説します。
効果・効能
AGAの進行遅延は、ザガーロとプロペシアで期待できる共通の効果です。しかしザガーロの場合、これに加えてAGA改善効果(発毛効果)が期待できるといわれています。
実際に、ザガーロとプロペシアの効果を比較した国際共同試験では、ザガーロが1.6倍の効果があったという試験結果も報告されています。この試験では、アジア人を含む917人を対象におこなわれ、プロペシア1mgを服用した治験者に対し、ザガーロ0.5mgを服用した治験者の方が、毛髪数や太さにおいてより効果があったといわれています。
つまりザガーロは、AGAの進行を遅らせるだけでなく、AGAの改善(発毛を促す)効果が期待できるといえるでしょう。
効果の範囲
AGAの原因は、悪玉男性ホルモンと呼ばれる「ジヒドロテストステロン」ですが、これの元となるのが「5αリダクターゼ」です。5αリダクターゼにはⅠ型とⅡ型があり、どちらもジヒドロテストステロンを発生させてしまう要因となります。
プロペシアに含有するフィナステリドは、5α-還元酵素の「Ⅱ型のみ」を阻害する働きがあります。これに対し、ザガーロに含有するデュタステリドは、5α-還元酵素の「Ⅰ型とⅡ型」を阻害する働きがあるのです。
このような効果の範囲の違いからも、デュタステリドはより高い効果が期待できるといわれています。
副作用
ザガーロとプロペシアの主な副作用には、性欲減退・勃起機能障害(ED)・肝機能障害・うつ・精子減少などがあげられます。ザガーロはこれに加えて、ごく稀に乳房障害・蕁麻疹が生じるケースもあります。
副作用の違いにそこまで大差はありませんが、副作用の発生率をみると、ザガーロの方が若干高い傾向です。
副作用を比較する国内長期投与試験では、プロペシア1mgの投与した場合、副作用の頻度が5%だったのに対し、ザガーロ0.5mgを投与した場合16,2%の副作用が報告されたといいます。
いずれも発生率はそこまで高くないものの、副作用が生じる割合はザガーロがプロペシアより高いといえます。
献血の可否
ザガーロとプロペシアはいずれも、服用中の献血はできません。服用が禁忌とされる女性や未成年に輸血されてしまう可能性があるからです。
ザガーロとプロペシアの大きな違いは、成分の血中滞在時間です。献血をする場合は、血中から成分がすべてなくなるまで一度服用を中止します。その際、フィナステリドは1ヵ月間の服用中止期間を要するのに対し、ザガーロは6ヵ月以上の服用中止期間を要します。ザガーロは血中の滞在期間が長く、血液から成分をほぼなくすためには多くの時間を要します。
ザガーロとプロペシア(フィナステリド)の併用について
ザガーロとプロペシアの併用は一般的ではありません。両者は同じような効果・効能があり、原則似たような作用機序がある治療薬の併用は推奨されていないからです。
ザガーロとプロペシアには併用禁忌薬はいまのところなく、他の薬との飲み合わせは基本的に問題ないといえます。AGA治療では、発毛効果のあるAGA治療薬のミノキシジルとよく併用されます。
ただし、ザガーロには併用注意薬があります。併用注意薬は、禁止とはされていないものの、併用すると身体に影響が及ぶ可能性がある薬のことをいいます。ザガーロの併用注意薬は「CYP3A4阻害薬」です。CYP3A4は肝臓にある主要な酵素の1つで、CYP3A4阻害薬はこれを阻害する働きがあります。この薬と併用してしまうと、デュタステリドがうまく代謝されず、腎臓機能の低下など身体に悪影響が及ぶ恐れがあるのです。
ザガーロを処方してもらう際は、服用中の薬があれば必ず医師に伝えて、併用してもよいか判断を仰ぎましょう。
フィナステリドの服用はジェネリック医薬品がおすすめ
併用注意薬の無いフィナステリドは多くのクリニックでジェネリック医薬品(後発医薬品)が販売されています。ただし、一部では個人輸入等で安全性が確認されていないものも出まわっている事があります。
しっかりとクリニックで医師のカウンセリングを受けたのち、処方してもらうようにしましょう。
湘南AGAクリニックでは独自のフィナステリド錠「タブレットF」を扱っています。オンラインでの診療も可能、また自宅への郵送も可能となっています。
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まとめ
ザガーロはプロペシア(フィナステリド)より、さらに高い効果が期待できるといえそうですが、同時に副作用の発生率も若干高い傾向にあります。
AGAを改善していくためには、体質に合った治療薬を選ぶことが大切です。
最近では通販や個人輸入で安価な治療薬を入手できますが、成分の入っていない模倣品なども流通しているといいます。
AGA治療薬は、服用する量や時間など、医師の診断のもと用法用量を守って正しく服用することで効果を発揮します。ザガーロとプロペシア、どちらの治療薬がよいかは自己判断をせず、まずは専門のクリニックの医師に相談してみましょう。